戦後75年、歴史教育・平和報道は新たな段階に進むべきタイミング? 『1945ひろしまタイムライン』炎上から考える(20/09/08)

 「もし75年前にSNSがあったら?」。この夏、話題を呼んだNHK広島放送局のTwitterアカウント『1945ひろしまタイムライン』。広島を舞台に、戦中から戦後の復興を生き抜いてきた実在する人物の日記やインタビューを元に、当時の日付と同じ日にツイートしていくという企画だ。


 新婚の新聞記者「一郎」(32)、結婚2年目で夫は軍医として出征、お腹には子どもがいる「やすこ」(26)、そして郊外の農園に疎開している中学1年生の「シュン」(13)の3人による“戦時下のリアル“に多くのフォロワーが共感。特に広島に原爆が投下された8月6日が近づくにつれ、身の安全を気にかける声が急増。当日ツイートには合わせて7000件以上のリプライが届くなど大きな反響を呼んだ。


 ところが8月20日、広島から埼玉・秩父へ移動していたシュンの「朝鮮人だ!!大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んでくる!」「『俺たちは戦勝国民だ!敗戦国は出て行け!』圧倒的な威力と迫力。怒鳴りながら超満員の列車の窓という窓を叩き割っていく」というツイートが投稿されると、酷い差別煽動」「当時の価値観だからといって書いていいのか」「人種差別・民族差別をよぶ」「ヘイトスピーチと変わらない」といった批判の声が相次いだ。


 NHK広島放送局では「被爆された方々の手記やインタビュー取材に基づいて掲載した」とした上で、「十分な説明なしに発信することで、現代の視聴者のみなさまがどのように受け止めるかについての配慮が不十分だったと考えている」と説明。ただ、シュンのモデルであるとされる男性との意見の食い違いが報じられるなど、問題は複雑化している。


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