性産業は廃止すべき?給付金対象外は職業差別? 賛成派と反対派、紗倉まなが激論(20/09/25)

 新型コロナウイルスの影響で多くの業界が苦しい状況に立たされる中、経済的に打撃を受けた事業者への救いの手となる「持続化給付金」。支給対象からデリヘルやピンサロなどの性風俗店は除外されているが、これに納得いかないデリヘル経営者が今月23日、国を相手に裁判を起こした。


 弁護士の亀石倫子氏は会見で「まさにコロナ禍が浮き彫りにした職業差別であると思う。国民感情みたいな非常に曖昧な理由で差別をしてよいのかということに、しっかりと司法は向き合って答えを出すべきだと思う」と主張。クラウドファンディングで裁判費用を集め、給付金や慰謝料など約450万円の賠償を求めた。


 一方で、「性暴力、性搾取を蔓延させている産業が調子に乗って、休業補償しろ、とか恥を知れ」「性産業はなくなった方がいい、という認識の広がりが大事」とTwitterに投稿したのが、ほっとプラス代表理事で社会福祉士の藤田孝典氏。性産業はなくなった方がいいと強気に言い切る理由はどこにあるのか。「女性の弱い立場の性を利用しながら、公序良俗に違反するような形で経営がされてきているので、そこに公金を支給するというのは、社会的にその産業を認めることに繋がってしまうのでやめていただきたいと思う。そもそも性は売ってはいけない。性風俗産業は将来的には撤廃するべきだ」と話す。


 この考えを真っ向から否定するのが、風俗で働く人の支援を続けているSWASH代表の要友紀子氏。「藤田さんの意見について、現場のことは全然分かっていないと思う。性産業におけるネガティブな事件や被害がある毎に、それが全体であるかのような言われ方をすることが多い。そもそも性産業が悪い仕事、危険な仕事であるかのように語られる、これが職業差別だと思う」との考えを述べた。


 では、実際に働いている女性は性産業をどう捉えているのか。「やっぱり一番はお金が欲しいというもの。友達に風俗嬢という子も結構いたので、偏見とかも特になく飛び込んだ感じ」と話すのは、19歳から風俗の仕事をしているデリヘル・セクキャバ勤務のエリさん(23歳・仮名)。


 奨学金の返済と将来への貯金のために始めた風俗。その反面、不安もつきまとうそうだ。エリさんは「デリヘルとなるとホテルに行くとかなので、(ドアを)開けてみないとどんな人かも分からない。友達の話であったのは、部屋を開けたら男の人が2人いて、押さえつけられて完全にやられちゃったっていうこと。私だと盗撮されていたものをそのままネットに流されていた。風俗店というお店を介さなかったら、女の子を守る人は誰一人いなくなっちゃうから、なくなったら困る」と切実に訴えた。


 25日の『ABEMA Prime』では、「性産業は廃止すべき」とバッサリ切る藤田氏と、「セックスワークは立派な仕事」と訴える要氏が対面。さらに、性産業に身を置くAV女優の紗倉まなも交え、徹底討論した。


続きをABEMAビデオで 視聴する

ABEMA TIMESで 読む