非正規訴訟判決で最高裁「ボーナス・退職金なしは“不合理”といえず」 是正のため、“これからの働き方”を考えた立法を(20/10/13)

 非正規労働者にボーナスや退職金が支給されないことをどう考えるのか。働く人のおよそ4割が非正規労働者(2070万人)といわれるなか、いわゆる“同一労働同一賃金”が大企業でスタートして半年、注目の裁判で最高裁が相次いで判断を下した。


 まず、大阪医科大学の研究室で秘書のアルバイトをしていた女性が起こした訴訟。正職員への賞与支給について、最高裁は「(大学側には)職務を遂行し得る人材確保やその定着を図るなどの目的」があったとした一方、アルバイトについては「業務内容が易しいとうかがわれる」と判断。「不合理な格差には当たらない」と訴えを棄却した。


 次に、東京メトロの売店で働いていた契約社員らが起こした訴訟。正社員の職務について「複数の売店を統括し、売り上げ向上のための指導やトラブル処理などを行うことがある」と契約社員との違いを指摘。退職金を支払わないことは「不合理な格差には当たらない」と、こちらも訴えを退けた。


 判決後の会見で「最低裁判所だ。(退職した際に)ご苦労様の花束一輪さえもらえない。本当に使い捨てなんだ」と訴えた元メトロコマース契約社員の疋田節子さん。その代理人を務めた青龍美和子弁護士は「いずれも極めて不当な判決だと思っている。労働の実態や待遇差の大きさの実態を最高裁にきちんと受け止めてもらえなかったという悔しさがある」と話す。


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