「2時間おきに目が覚めたことも」誰にも相談できない不安、院内にマスコミの情報…京アニ被告の主治医が語った“医療従事者の倫理”(21/05/31)

 36人の尊い命が奪われた京都アニメーション放火殺人事件(2019年7月)。鳥取大学医学部附属病院救命救急センターの上田敬博教授は、後に逮捕・起訴されることになる男の主治医として懸命に治療にあたった、やけど治療のスペシャリストだ。


 「被害に遭われた方を1人でも多く収容したいー」。そんな思いから、被害者が搬送された医療機関にかたっぱしから電話をかけていたという上田教授(当時は近畿大学病院の救命救急センターに勤務)。


 ところが事件当日の受け入れは無く、翌日になって「搬送先に苦慮している患者がいる」として男が運び込まれたのが、被告の男だった。

 

 「当日には搬入依頼が無かったので、もし依頼が来るとすれば、それは容疑者になるのではないかという思いがあった。だから構えるということはあまりなかった。医師である以上、目の前に絶命しかけている人がいれば、それがどんな人間であっても受け入れて治療に専念し、命を助けようとするのが当たり前のこと。それが仕事だと教わっていたし、今でもそう思っている。今回のケースの場合、1時間以内、2時間以内に絶命してしまうかもしれないというくらいの非常に危険な状態だったし、むしろそういうことを考える余裕すらなかった、というのが正直なところだ」。


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