新井浩文被告に懲役5年の実刑判決…性犯罪厳罰化も“密室の壁"が事実認定のハードルに(19/12/02)

 自宅で派遣型エステの女性に暴行したとして「強制性交等罪」に問われていた元俳優の新井浩文こと韓国籍の朴慶培(パクキョンベ)


 2017年の刑法改正で「強姦罪」が名称変更・厳罰化された「強制性交罪」の成立には、被害者側が(1)「性交等」があること、(2)「暴行または脅迫」行為によること、(3)「故意」があることの3つのポイントの立証が必要になっており、それができなければ裁判で性行為に「合意があった」と見なされてしまう問題が指摘されてきた。性犯罪の裁判を多く手掛ける弁護士の川本瑞紀氏は「起訴まで至ったことが画期的だ。有罪か無罪かも紙一重だった。(女性の頭を股間にもっていくことが)“性行為に付随する行為”か“暴力・脅迫”かの判断が分かれてもおかしくなかった」と解説する。


 この問題は今回の公判でも争点となり、新井被告側は「女性から抵抗がなかった」などとして「合意があったと思う」と無罪を主張していた。一方、判決で裁判所は深夜の被告の自宅室内は暗く、体格差もあり「物理的・心理的に抵抗することが困難」と推認できると判断。被害者が直後に店の経営者に対して相談し、3時間後には警察に相談に行っていること、後日詳細なメモで親告していること、そして和解を拒否していること、さらに新井被告が過去に性的サービスに応じたセラピストには金銭を支払わなかったにもかかわらず、今回は現金7万円をバッグに無理やり押し込んだことから、被告が「意思に反するとの認識を備えていた」と判断した。


 今回の判決に判決について、元検察官で性犯罪に詳しい高橋麻理弁護士は「実刑で5年という判決は、重くもなく軽くもなく、ごく一般的だという印象だ。従来から行われている裁判所の認定だと思う」と話し、次のように説明する。


 「暴行と聞くと、身体に傷が残るようなものを思い浮かべるかと思うが、被害者の抵抗が著しく困難だったと言えるかどうかが裁判所の認定基準の一つになる。今回もそれに基づいて、時間帯、場所、年齢、関係性といった具体的な事実に照らして評価していったものだと考える」。


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