ソレイマニ司令官殺害で“ジハードの赤旗”掲揚も…専門家「イスラム教には"同害報復"の掟。ただ大戦は考えにくい」(20/01/06)

 アメリカによるイランのソレイマニ司令官殺害を受け、中東情勢の緊張が一気に高まっている。


 事の発端の一つは、先月29日、アメリカ軍がイランの支援を受けているイスラム教シーア派武装組織の拠点を攻撃、司令官や兵士ら15人が死亡したことだ。31日、シーア派の民兵組織はイラクの首都バクダッドにあるアメリカ大使館を襲撃・放火。これを知ったトランプ大統領はソレイマニ司令官の殺害を決意。「私の指揮下で米軍は完璧な精密攻撃を実行し、世界ナンバーワンのテロリスト・ソレイマニを殺害した。ソレイマニは米軍の外交官や兵士に対し差し迫った邪悪な攻撃をたくらんでいたが、これを突き止めて終わらせた」と胸を張った。


 アメリカへの報復を示唆するイランのロウハニ大統領に対し、トランプ大統領は「攻撃があった場合、重要施設や文化施設52カ所を攻撃する」とツイートで警告。しかしイラクの首都バクダッドではアメリカ大使館周辺にロケット弾が撃ち込まれるなど、すでに報復とみられる攻撃も発生。また、司令官の喪が明けて以降には、さらなる厳しい報復の実行も予測されている。


 イランの最高指導者ハメネイ師にも近く、“国の英雄”として尊敬を集めていたソレイマニ司令官。大規模に営まれた追悼式典では、参加者がアメリカへの敵対心を剥き出しにしている。さらにジャムカラン・モスクには、「ジハード」の赤旗が掲揚されたことも話題を呼んでいる。また、イラン政府は5日、「無制限にウラン濃縮を進める」と発表、核合意からの事実上の離脱により、核開発が一気に前進するとの見方も出ている。こうしたことから、ネット上には“第三次世界大戦”というワードも飛び交った。


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