かつては憩いの場として親しまれた銭湯。しかし1989年には1万2228軒もあったのが、2018年には3535軒と、3分の1以下にまで減少している。
プロジェクションマッピングを楽しみながら入浴できたり、クラブイベントの会場として貸し出して帰りにお風呂に入ってもらったりと、生き残りをかけて様々な工夫をする銭湯もある。また、お風呂業界を盛り上げようとしている活動してきたOFR48のメンバー・さとみんは「活動を初めて8年目になる。元々はスーパー銭湯がメインだったが、これからは銭湯さんも盛り上げていかなければいけないという気持ちが強くなり、今は銭湯の皆さんの応援をしている」と話す。
さらに、“銭湯アイドル”の湯島ちょこはファンと銭湯をはしごするオフ会を定期的に開催。「お金もないし人手もないといった銭湯ももちろんすごくあって、静かに営業の幕を下ろすという現状が実際にはある」と話す湯島は、その良さを知ってもらいたいと、銭湯を舞台にしたドラマや映画などにも出演してきた。
高円寺(東京・杉並区)の「小杉湯」で経営に携わる小杉湯チーフストーリーテラーの菅原理之氏は「かつては自宅に風呂がなく、衛生のため公衆浴場という存在だったが、最近ではカラオケや飲み会に行く、それこそ500円くらいで2時間くらい友だちと話ができるので、スタバに行く代わりに銭湯に行くという若い子も出てきている。高円寺もそうだが、住宅街にはまだまだ銭湯は残っていて、実は都内にはマクドナルドとモスバーガーを合わせたくらいの軒数がある」と話す。
広告業界から銭湯業界に転身した菅原氏。小杉湯では様々な新たな取組を進めているが、「行政としても、この状況で銭湯を増やすのか、というところがあり、新しい公衆浴場業の免許はなかなか下りない。30代、40代の3代目、4代目が増えてきているが、特に都内での新規参入は難しいし、銭湯を経営するよりもマンションにしてしまった方が収入が安定する場合もある」と切実な状況を訴えた。
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