日本のマスコミにも食い込むロシアスパイ…ソフトバンク元部長への接触は技術ではなく“実績づくり”が狙い?(20/01/27)

 ソフトバンクの部長だった去年2月、社内から不正に機密情報を持ち出したとしてとして逮捕された荒木豊容疑者が27日、送検された。


 これまでの調べによると、荒木容疑者は在日ロシア通商代表部の幹部ら2人に機密情報を渡したとみられている。幹部ら2人はスパイ活動をしていた可能性があるという。名前や身分、連絡先を隠して荒木容疑者に接触。都内の飲食店などで繰り返し接待し現金を渡すなどしており、その見返りとして要求したのが、電話の基地局など、通信設備に関する情報だったとみられている。調べに対し荒木容疑者は「小遣いが欲しかった」「スパイかもしれないと思っていた」と供述している。


 ロシア情勢に詳しい東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠・特任助教は「大まかに分けると、ロシアのスパイ機関には2つの系統がある。一つは昔の『KGB第一総局』にあたり、プーチン大統領も昔所属していた『SVR(ロシア対外情報庁)』で、外国にスパイを送り、政治・経済・軍事まで、何でもやる。もう一つは『GRU(ロシア軍参謀本部情報総局)』で、軍事情報がメイン。今回はSVRの機関員だったのではないかと言われていて、かなり広範に情報収集をしていたと思う。また、人の弱みや迂闊さに付け込むというのは、どこの国のスパイも同じで、お金に困っている人、女や酒に弱い人、といったことを調べ、“このアプローチだ”と決めて実行するのだと思う。2000年に起きたボガチョンコフ事件では、海上自衛隊の三佐のお子さんが難病でお金に困っていて、お昼ご飯もちゃんと食べられていないというところを見て取って接近し、関係を深めていった。そうする内に、相手の要求に抗えなくなっていき、渡してはいけない情報と分かりながらも渡してしまった」と話す。


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