“サザエさんが炎上”報道も関連ツイートはごくわずか? コロナ禍で改めて浮き彫りになったメディアの構造(20/05/01)

 新型コロナウイルスの流行で日本では自粛が続く中、国民的アニメ『サザエさん』が“炎上した”と一部のメディアが報じたことに対し、疑問の声が上がっている。


 “炎上した”とされるのは4月26日放送回で、登場人物たちがゴールデンウィークの外出について家族で考えるという話をし、出かけるという展開だった。これに対し、ネット上には「外出自粛中に旅行の話を放送するのは不謹慎」「どこにも行けないのにサザエさんたちは遊んでいる」「サザエさん世の中ガン無視」といった声が上がった、というものだ。


 しかし番組が放送された同日午後6時半ごろのツイッター投稿を調べてみると、「不謹慎」というワードが含まれるものは11件のみだったといい、こうした検証を受けてか、当初「まさかの炎上」と記事にしたデイリースポーツは表現を修正、現在は「炎上」の2文字はない。また、こうした記事がYahoo!ニュースなどにも配信されたことで拡散したため、不謹慎だと指摘した人への批判も殺到するという事態になった。


 今回の問題を分析したブロガーの徳力基彦氏は「『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』が“リモート帰省”や“ステイホーム”を問いかけるような設定にしたという中なので、今回の『サザエさん』に対してちょっと“イラッ”とした視聴者がいたことは事実だと思う。『サザエさん』ともなれば、数百万人が見ている番組なので、Twitterを使っている人の何%かがつぶやくだけでネガティブな反応が出てきたように見えてしまう現実はあると思う。ただ、普段から家のテレビに向かって突っ込むということは皆がやっているだろうし、それがツイッター上の発言になったとしても、あくまでも独り言なのだと思う。それを“炎上”という形で記事にされてしまうのはどうなのかと思う」と話す。


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