日本の接続水域内(鹿児島県奄美大島の北東)で先週18日、海上自衛隊のP-1哨戒機やP-3C哨戒機、護衛艦「かが」などが、潜ったまま進む海外の潜水艦を発見した。
潜水艦が接続水域内を潜ったまま通過するのを確認したのは2年半ぶりのことで、防衛省はその国籍や目的について「日本側の探知能力に関わる」として明らかにしていないが、政府関係者は「中国海軍の潜水艦とみられる」としている。
「接続水域」とは領海(領土から22km)の外側かつ領土から44kmの範囲を指しており、その先が「排他的経済水域(EEZ)」と呼ばれる。潜水艦が領海を航行する場合、海面まで浮上し、国旗を立てなければならないが、接続水域内においては潜航することが認められている。
海上自衛隊の元海将で、潜水艦「はやしお」艦長などを務めた経験を持つ伊藤俊幸・金沢工業大学虎ノ門大学院教授は「中国の潜水艦に間違いないと思う。わざわざ接続水域を潜って通るというのは、完全に意図的なものだ。人間に指紋があるように、スクリューの回転音など、潜水艦にはそれぞれ独特の“音紋”がある。あまり詳しいことは言えないが、海上自衛隊はそれらの情報を全て持っているので、どの潜水艦かが分かる。だから自分が海上自衛隊に捕捉されているということも分かった上で、その探知能力を試すのが一番の目的だったんだろうと思う。習近平主席による独裁体制が確立して以降、ナショナリズムを高揚させるために、軍が主導して対外的に強硬策を取っている。尖閣での動きもそうだが、実はこれも去年から始まっていた動きだ。このようにして、平時においても様々な動きをして抑止力をぶつけ合い、睨み合いをしているというのが現実だ」と話す。
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