「リスナーのみなさま、ありがとうございました」。6月末、新潟のラジオ局「FM PORT」が惜しまれながら閉局した。最終日にはラジオブースのあるビルの前で涙を流すファンの姿も見られた。
閉局の理由は、スポンサー不足による財政難。専門誌『ラジオマニア』の梅田庸介編集長は「新潟には複数のラジオ局があるので、パイの取り合いで営業的に難しくなってきているのではないか」と話す。
一方、聴き逃した番組を楽しめる「タイムフリー」機能を持つ「radiko」はサービス開始以来、利用者数が増加傾向にある。コロナ禍の巣ごもり需要もあり、月間の利用者数は2月の約750万人から、2020年4月には約910万人と過去最高を記録している。
radikoの青木貴博社長は「リモートワークをしながら聴けるという利便性もあるし、音楽や人間味のある温かな会話を聴くことで気持ちが癒やされるということから選ばれているのではないか」と推測、「ラジオと出会う機会がなかったという10代、20代の若者が増えてきている。ただ、放送局としても若者に聴いてもらいたい番組を増やしていくだろうし、放送以外にも多様なアプリやコンテンツがあると思うので、その魅力を伝えていければ、業界も活性化していくんじゃないか」と話した。
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